空圧搬送技術の進歩を紹介
マテハン業界における工程の改善と効率の最適化は、Qlarにとって最重要事項です。お客様のために継続的な改善を進めるべく、この理念は当社事業のあらゆる部分に貫かれています。その中心となっているのが、業界が抱える課題それぞれに適したソリューションの開発を専門に進めている、当社のグローバルな試験・イノベーションセンターです。
英国ドンカスターにある空圧技術専門の試験・イノベーションセンターでは、Qlarの濃密相、希薄相、真空、注入の空圧搬送システムに関する専門知識を紹介しています。お客様は現地でも遠隔地からでも、材料に関する広範な試験と評価を受けて、工程全体を確認できます。
最近、この試験・イノベーションセンターに、当社が提供する工程の洞察を深めるうえで活躍が期待される設備が追加されました。その新しい設備には、特許取得済みのE-Finity®連続濃密相システムや、エンジニアリングテクノロジー企業であるLontraの革新的なLP2コンプレッサーブロワーからの空気供給を使用する、高度希薄相空圧(EDIP)搬送システムなどがあります。
空圧搬送ソリューションの開発
ドンカスターにあるQlar試験・イノベーションセンターでは、食品やペットフード、化学品から金属まで、様々な産業向けに設計された空圧搬送システムで様々な試験を多数実施してきました。この施設には、従来の濃密相や低圧濃密相、希薄相などの能力を試験する機械が設置されています。
濃密相搬送は、研磨材や壊れやすい材料を非常に低い安定速度でパイプラインに通して搬送する、エネルギー効率の高い方法であり、生産物の劣化や装置の摩耗を最小限に抑えられます。当社試験・イノベーションセンターの従来の濃密相セットアップでは80mm、100mm、125mmのパイプを使用でき、Qlarでは最長500mの搬送距離を試験できます。また、プレーンパイプや密度安定装置、オートフローなど、多数のオプションを設定できます。
E-FinityシステムはQlarの特許取得済み連続濃密相システムで、粒状やペレット状の生産物を穏やかに、かつエネルギー効率の高い方法で搬送します。従来の連続濃密相システムではブロワーとロータリーバルブが使用されますが、それではパイプライン内の圧力が上昇するため、不安定なエア漏れが発生する可能性があります。この問題を克服するため、E-Finityは精密に圧力を監視することでバルブを制御し、エアフローを管理。漏れや温度変化を自動で補正します。
QlarのE-Finity搬送システムでは搬送空気や圧力、供給速度、漏れ、消費電力の比較監視を行えます。1 bar(g)のブロワーまたは長距離用に調整された圧縮空気源を使用するこのシステムは、最長240mの100mmパイプ回路に対応。材料は最大10m3/時の速度で供給され、ロスインウェイトホッパーまたはビッグバッグ排出装置から供給できます。
Lontraの革新的なBlade Compressor®技術を採用したLP2ブロワーを使用するため、同社との提携契約に基づいて希薄相搬送能力も強化されています。パイプ径は50mm~125mm、搬送距離は10トン/時で最大500m、回転数は200mm~300mm。当社の試験・イノベーションセンターではこの新技術を使用して、最新鋭の高効率EDIPの能力を従来の希薄相システムと比較しながら確認できます。
E-Finity®: Dense Phase Pneumatic Conveying Systems
高効率、高費用対効果、低エネルギー消費
高度希薄相空圧(EDIP)搬送システムは、あらゆる運転条件下でブロワーの速度を最小限に抑えることで希薄相搬送システムの動作が改善するよう、Qlarが設計したソリューションです。
このEDIPシステムをLontraのLP2ブロワーと組み合わせることで、エアフローが最適になるように自動制御され、システム効率が向上します。省エネ率は20~30%。市販されている希薄相コンベヤの中でも群を抜いて効率的なコンベヤです。
当社の試験・イノベーションセンターには、E-FinityとEDIPシステムの最適化作業と搬送試験のためにスペースを2つ用意しています。1つ目のスペースでは、完全な計装機器と最新のデータロギング機能を使った性能試験を行えます。2つ目のスペースは典型的な工業設備を再現したもので、お客様に技術を紹介するために使用されます。
しかし、ドンカスターの試験・イノベーションセンターの改良点はE-FinityとEDIPシステムだけではありません。その他にも、次のような設備があります。
- ビッグバッグ充填・排出装置
- 新しい真空受入ホッパーと真空配管
- 新しいルート指定装置
直径38mm、50mm、63mm、75mm、100mmのパイプを通して、最長65mで真空搬送を試験できます。試験・イノベーションセンターでは、底部排出や頂部排出、ロータリーバルブ供給ピックアップポイントも実際の動きを確認できます。
さらに、空圧注入ProStream HPやインターロック式Phase-IQ制御付きツインProPhase濃密相ポンプ、MultiCell &スクリュー供給ロータリーもすべてこのセンターで試運転されています。
空圧注入ProStream HPシステムは、固体材料を工程に空圧で、連続でもバッチベースでも、一箇所へでも複数箇所へでも注入できるように設計されています。
ProPhase濃密相ポンプはモジュール式の空圧搬送ポンプで、ほとんどすべての空圧搬送用途に適合するようお客様側で電子装置を使って設定できます。
工程に関する最適な洞察を展示
英国ドンカスターの試験・イノベーションセンターは、お客様から預かった供試材の処理やトレーニングプログラムの実施だけを目的としているのではなく、来場者の業務で使用されている材料を実際に使ってQlarの搬送技術を見学できるような、業界の空圧試験イベントの開催に向けた準備も進めています。また、この専用施設はデジタルリモートアクセスにも対応。当社の提供サービス全体から最もエネルギー効率の高い、自社に最適な工程を求めているお客様が、場所を問わず世界中からご利用いただけます。
Qlarが開催する業界別の空圧試験イベントについては、こちらからお問い合わせください
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私たちにとってのパートナーシップとは、いつでもどこでも必要なときにサポートできるようにすることです。世界各地に広がる拠点と専門家集団によるネットワークで、私たちは常にお客様の側にいることをお約束します。