精度、衛生、安全性が品質を大きく左右する
バッテリーセルの製造では最高の品質が要求されます。配合を正確に遵守することと汚染の回避は特に重要です。また、有毒で可燃性の高い材料を使用するため、粉塵の排出も最小限に抑えなければなりません。これは、原材料を投入する際に特に難しい課題になります。
強力で効率的なバッテリーは世界中で需要があります。セルの品質は、原料の計量と投入が行われた時点で決まります。電極製造用の混合物(スラリー)が汚染されていてはなりません。伝導性粒子がセパレータのホイルの間に入ってはなりません。さもないと、回路短絡する危険があります。また、黒鉛、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトなどの物質が漏れないように、機械は防塵構造でなければなりません。そして一番大事なことですが、計量と投入の精度が製品の品質を大きく左右します。プラントエンジニアは、こうした相反する課題を解決しなければならないのです。
品質基準には妥協が必要
一貫して高い製品品質を確保するためには、高い投入精度が不可欠です。避けては通れないバッチ式工程では、非常に高い信頼性が計量器に求められます。しかし、ホッパーが巨大な場合は、高い死荷重により精度が低下します。機械の周辺に振動があると、バルク材が垂れ落ちることがあります。さらに、圧力変動も計量信号に影響を与える可能性があるため、防ぐ必要があります。
避けなければならない別の課題として、スラリーの汚染があります。これは、機械部品からの金属粒子や、異なる原材料を同じ容器で計量した場合などに生じる交叉汚染によって引き起こされることがあります。湿気は製品の品質にも悪影響を及ぼすため、製造設備の清掃には困難が伴います。吸湿性のバルク材もあるため、流入する空気でさえ悪影響を及ぼす可能性があります。機械を加圧することで、理論的には埃や汚れの粒子をスラリーから遠ざけることができますが、そうした不要な圧力変動がまた、計量精度に悪影響を及ぼします。
物質がとめどなく漏れ出すようなことがあってはなりませんが、そうしたことも、バッチ式工程における計量容器の補充を特に困難な作業にしています。汚染のリスクを最小限に抑えるには、補充時に排出される空気が濾過されずに漏れることを防ぐ必要があります。負圧は汚染物質を機械内部に留めるのに役立ちますが、投入精度に悪影響を与えたり、湿気の侵入を促したりする恐れもあります。
プラントエンジニアが相反する優先課題を解決する
金属粒子によるスラリーの汚染を防ぐには、システムを設計する際に金属どうしの接触を避ける必要があります。これは、セラミックコーティングやPTFEコーティングを使用することで達成できます。また、周速度を制限すれば摩耗を減らせます。これは、フィードスクリューの工程設計を工夫することで達成できます。また、材料の残留物は交叉汚染につながる可能性があるため、システム内のデッドスペースは極力なくす必要があります。
水準が下がったときに周囲の空気が計量ホッパーに入り込んだ場合など、湿気も製品に損傷を与える可能性があります。バルク固体を湿った空気から保護するには、自由空間を乾燥空気や窒素で連続的に満たす必要があります。また、バッチ式工程の中断はできるだけ最小限に留めたいものです。機械から空気が漏れる場合は、濾過する必要があります。フィルターの選択は封じ込め方法によって異なります。
計量精度を損なわないためには、システム内の圧力条件を一定に保つ必要があります。計量ホッパーの充填時には、圧力の均一化が不可欠です。Qlarなどのメーカーは、充填工程と補充工程を調整し、圧力の変動を最小限に抑える特別な制御装置を開発しました。これは、製造における品質と安全を確保するために不可欠です。トリクリングによる誤差は、フラップによって機械的に排除できます。
つまり、バッテリーセル製造では計量精度と封じ込めに関する厳しい要件が存在しますが、解決できないわけではありません。設計上の対策で金属摩耗を防止できます。充填・補充工程をインテリジェントに制御することは、品質にとって極めて重要です。バルク材を周囲の空気と接触させてはなりません。計量供給機が正確に作動するためには、排出された空気を濾過し、圧力変動を最小限に抑える必要があります。巧みに設計された制御システムが成功の鍵なのです。
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