長期的な価値をもたらす事業継続ソリューション
パンデミックの最中、国内外への出張がほとんど禁止されていたため、Qlarは、自社の工場受入検査の工程を代替する方法を開発しようとしていました。その目的は、そうしたサービスを必要とするお客様からの注文に、タイムリーかつ効果的な方法で確実に応え続けること。最先端の設備に投資することで、お客様は出張することなく工場検査に関わり続けられるようになったのです。Qlarは、こうした物理的な隔たりを埋め、お客様が製造工程のライフサイクル全体を監視できるようにする方法を生み出しました。
コロナ禍の当時、企業は時代への適応を余儀なくされ、Qlarの品質と誠実さは多くの企業から信頼されていたものの、一部の企業にとっては製造工程を実際に監視し、工場受入検査に参加することの重要性は変わっていませんでした。そうしたなか、当社が開発した遠隔工場受入検査(RFAT)工程により、お客様の事業継続性が確保され、投資に対するそれまでの信頼性も維持されました。新しい機会を見出して、お客様が世界のどこにいても、革新的な方法で関わることができるということは、移動の制限がなくなった後もずっと続くであろう、胸の高鳴るような新たな可能性でした。
技術の進歩がカスタマーサポートモデルを強固にする
Microsoft Teamsのようなインターフェイスを使用して、高度な知識を持つ担当チームと双方向のビデオ通話を行うことで、お客様は、割り当てられた試験手順がすべてクリアされていることを確認できます。これにより、高額な費用が発生する前に、納品された商品が販売された通りであるという確信が得られます。静止カメラやIPドームカメラ、ジンバルに取り付けたカメラなどの技術をヘルメットカメラと併用することで、エンジニアが撮影する映像をもとに、受入手順のあらゆる側面を詳細に、お客様自身の目で確認できます。
Qlarでは、機器制御キュービクルとモーター制御キュービクルの両方を使用して、お客様が多種多様な機器を監視、試験、デバッグできるようにしています。これらのキュービクルは、ロードセルからトランスミッター、モーターから周波数変換器まであらゆるものを組み込んだ、言わば操作の頭脳。「リアルタイム」でデータを確認・取得できるので、必要な変更を即座に行えます。また、材料投入前や材料投入後の試運転を行う前に、担当チームが機械的な点検や電気的な点検を安全に行えます。
遠隔工場受入検査の工程では仕様が完全に遵守され、両当事者によって確実に承認されるので、ミスの可能性が減り、エラーによる返品のリスクがなくなります。お客様を念頭に効率性を高めることで、費用を節約し、移動に伴う排出量を削減し、高品質の基準を確実に維持できるこの方法は、Qlarにも新たな可能性を与えてくれます。
遠隔検査ソリューションがすぐにもたらす他の利点
QlarのRFAT工程が確立されるとすぐに、その方法論は、次のような他の工程のイノベーションにも応用できることがわかりました。
遠隔設置工程
設置工程を遠隔操作で完了することには多くの利点があります。その中でも、Qlar社内の技術力をフルに活用できることは大きな利点です。遠隔視覚補助技術を使用することで効率が向上し、複雑な質問もエキスパートに任せることで、お客様側のチームは作業場の安全性と動作の信頼性に集中できます。また、工程の各段階で現場設置チームと連携することで、納品直後から機械の操作に慣れ、新しい機器の統合を安心して迎えることができます。


遠隔トレーニング
遠隔トレーニングを実施することで出張コストを削減し、貴重な時間を節約できることがいかに有益であるかは、すでにQlarのいくつものお客様の現場で実証されています。お客様は、エキスパートが揃うチームから直接トレーニングを受けることで、投資した設備に関する貴重な洞察を得ることができます。対話式のオンライン製品トレーニングはコラボレーションを促進。その上、お客様固有のニーズに合わせて構成することもできます。こうしたトレーニングは、知識の伝達も促進するとともに、お客様の要望に応じて、実行できる場所であれば世界中のどこにでも提供できます。
サービスの卓越性、イノベーション、コスト削減の取り組みを推進
Qlarの非常に効果的な遠隔工程では、重要な利点がすでにいくつも実証されています。
- 高い品質基準の確保
- 世界的な引き合いの増加
- 試運転時間の短縮
- 市場投入までの時間の短縮
- 二酸化炭素排出量の削減
Qlarは遠隔機能に投資することで、品質基準を維持しながら、革新的で費用対効果の高いソリューションを推進し、卓越したお客様サービスに対する継続的なコミットメントを示してきました。
欧州・中東・アフリカ(EMEA)スクリュー&振動エンジニアリング部門のプロジェクトエンジニアであるTobias Celikは、お客様がパンデミックの影響を受けるのを目の当たりにし、新しい検査手順の確立に尽力しました。「当社が遠隔工場受入検査を実施できるようになったことは、お客様の大きな利益につながります。宿泊費のかかる国際便で長時間移動する必要がなくなったのに、必要な詳細をすべて、以前と同じように確認できます」
Tobias Celikは次のように続けます。「私たちにとって、このような前例のない困難な状況であっても、私たちの仕事が認められ、商品を出荷し、プロジェクトを期日通りに完了させるという契約上の義務を問題なく果たせたことは大きなメリットです。今後もこうした新しい通信技術を活用し、プロジェクトの遂行にかかる時間を節約し、効率を高めていけると確信しています」