チャールズ・ダーウィンの進化論で説かれた、優れた特徴を持つ動物だけが生き残るように、デジタル進化論では、デジタルトランスフォーメーションを受け入れた企業だけが「生き残り」ます。デジタル化を、企業の競争力を高めるためだけの一時的なトレンドとして理解すべきではありません。もっと重要なことは、デジタルトランスフォーメーションには、アナログ企業があっさりと見逃している数多くの利点があるということです。ここからは、Qlarが社内でどのようにデジタルトランスフォーメーションを実践しているか、また、お客様とともにどのようなデジタル化のステップを踏んでいるのかご紹介します。
デジタル化が将来性のある仕事をもたらす
デジタルトランスフォーメーションの視点から見ると、当社の従業員が自分の仕事の評価に気をもむ必要はありません。それどころか、この大掛かりなプロジェクトを進めるためには、チームのメンバー一人ひとりが必要になります。デジタルツールの利点を最大限に活用し、従業員の間に幅広いノウハウを構築することができるのは、共に働く私たちだけなのです。
すでにネットワークに精通している人も、これまでの業務でデジタルとは無縁だった人も、デジタルトランスフォーメーションの成功のためには、エキスパートである従業員一人ひとりが重要です。私たちは、デジタル化によって社内プロセスを大幅に簡素化することを目標としています。これは、これまで以上に透明性の高いデジタル文書管理などによって目に見えるものとなります。
Holger Hackstein
最高デジタル責任者
「チーム間の緊密な協力がなければ、当社のデジタルトランスフォーメーションは成功しません。当社の機械について長年の経験を持つ人材だけでなく、新たに加わったデジタルのエキスパートも含め、当社のあらゆる人材が賛同しなければなりません」
社員に力を与える
単に「それ自体が目的である」規則は何の役にも立ちません。ほとんどの場合、当社は規則を控えめに設定し、その代わりに、社員がデジタルトランスフォーメーションの形成に最適に参加するためのガイドラインやヒントを提供しているのはそのためです。定期的に新しい開発が行われ、頻繁な研修が必要となるため、デジタル化のプロセス全体は今後数年にわたって続きます。デジタルツールは絶えず進化しており、経験を重ねることで、さらに有効に活用できるようになるはずです。
デジタルトランスフォーメーションの過程でチームメンバー間のコラボレーションを促すため、私たちは時代遅れになった序列的な要素をいくつか廃止しました。以前は管理者だった社員も、同じ目線でコミュニケーションが取れるように、現在は助言者や指導者になっています。エキスパートが揃う様々な部署では、地位による区別は廃止しましたが、特定の責任には特別な職務を割り当てています。また、部門内の序列と専門分野内の序列を区別することで、協力の内容に重点が置かれるようになり、懲戒処分によってエキスパートチーム内の関係や作業が混乱しない仕組みになっています。全体として、私たちは社員の個人的な責任に依存し、必要な場合には同僚の助言を求めるよう奨励しています。
どのようにデジタルトランスフォーメーションを実現するのか?
第1段階:私たちの最初のステップは、デジタルトランスフォーメーションを可能にするために必要な(デジタル)インフラを構築することでした。その一環として、コミュニケーションプラットフォームであるMicrosoft Teamsの導入やデジタル人事管理ツールの導入、ハイブリッド勤務の導入などを行いました。
第2段階:Qlarのデジタルトランスフォーメーションは4つの柱に基づいています。構造の変革、プロセスの変革、企業文化・職場文化の適応、そして新しいデジタル製品の導入により、社内のあらゆる分野でデジタルトランスフォーメーションを実践しています。
こうして誕生した新しい体制では、デジタルトランスフォーメーションに必要な俊敏性を生み出します。また、私たちは常に自部門でベストプラクティスを探し求め、その知識を社内の他部門で応用しています。プロセスはできるだけ標準化し、自動化するように努めています。デジタルトランスフォーメーション全体では、社員が同僚の模範となるような企業文化を基礎としています。そして製品面では、常に新しいデジタルソリューションを開発し、新たな活動分野の開拓やお客様に対する万全のデジタルサポートにつなげています。
第3段階:デジタルトランスフォーメーションの最終段階では、すべてのビジネス領域で変革の実現を達成していきます。
「デジタル化が進めば、私たちはもっと簡単に協力し合えるようになるでしょう。この機会を逃した企業は、競争から取り残されかねません」
Holger Hackstein、最高デジタル責任者
Qlarのデジタルソリューション
お客様からよく寄せられる質問の一つに、Qlarのデジタルサービスには新しい機械が必要かどうかというものがあります。その答えは「不要」。Qlarでは常に、既存の機械をそのまま使用できるようにデジタルアプリケーションを開発しているからです。そのために、常にお客様の機械との互換性を確保しながらデジタルコンセプトを開発しています。言い換えれば、アプリケーションが変わったとしても、その結果既存の機械が使えなくなることはありません。
ワークフローの目に見える改善
当社のいくつかのデジタルサービスについては、その達成度、つまりデジタル化のステップがもたらした節約額を測定するシステムをすでに開発しています。例えば、当社製品のLOGiQに付属する「Benefit Calculator(利益計算機)」機能は、処理量を最大化できる範囲を示すとともに、材料面と金額面で節約を定量化してくれます。現在、当社のエキスパートは、計画外のダウンタイムを回避するために、機械の摩損を予測できる計算機を開発しています。
ただし、こうした計算機のデータはすべて、概算値と考えてください。正確な測定値は、機械が稼働しているときに初めて得ることができます。
社内外のデジタルトランスフォーメーションの比較
当社のデジタルトランスフォーメーション(社内)
共同作業の効率をさらに高めるために、私たちは社内のあらゆる領域をデジタル化することに決めました。そのために、私たちはまず基礎、特にプロジェクトに適したデジタルインフラと企業文化を築きました。
当社のデジタルトランスフォーメーション(社外)
お客様のデジタルトランスフォーメーションをサポートするために、私たちは常に自己研鑽し、新しいデジタルソリューションを開発しています。デジタルの進化をお客様と共に歩み、お互いの専門知識から相互に利益を得ることを期待しています。